美容室で「レザー(カミソリ)でカットしますね」と言われたとき、「髪が傷んだり枝毛が増えたりしないかな?」と不安に思ったことはありませんか?
結論から言うと、レザーカットそのものが悪ではありません。
正しい道具と適切な技術でカットすれば極端に傷むことはありませんが、条件次第ではハサミよりも毛先が傷みやすくなるのは事実です。
この記事では、レザーカットの仕組みや傷む原因、ハサミカットとの違い、そしてどんな人に向いているのかを分かりやすく解説します。
レザーカットは「条件」によって傷む
レザーカットで髪が傷むかどうかは、「刃の状態」「髪の濡れ具合」「美容師の技術」の3つで決まります。
カミソリで髪を削ぎ落とす際、ハサミで「ブチッ」と切るのとは異なり、髪の断面が斜めに薄くなります。
このとき毛髪の表面にある「キューティクル」を削る形になるため、どうしてもダメージのリスクは上がります。
レザーカットで髪が傷む3大原因
切れ味の落ちた刃(使い古しの刃)を使っている 刃が劣化していると、髪を「切る」のではなく「引っ張って引きちぎる」状態になります。これが枝毛やパサつきの最大原因です。
乾いた髪にレザーを当てている(ドライカット) 髪は乾いていると摩擦に弱くなります。濡れた状態(ウェットカット)で水分を含ませて滑りを良くしないと、キューティクルが無理やり削られてしまいます。
パネルに対する刃の角度・圧力が不適切 技術不足で深く削ぎすぎたり、何度も同じ場所を擦ったりすると、毛先がペラペラになり乾燥しやすくなります。
レザーカットとハサミカット(シザー)の違い
ハサミとレザーには、それぞれ得意な質感や仕上がりの違いがあります。どちらが良い・悪いではなく、なりたいスタイルに合わせて使い分けるのが一般的です。
毛先の断面
レザー: 斜めで尖った形になる
ハサミ: まっすぐ(水平)に近い形になる
仕上がりの質感
レザー: やわらかい、束感、自然な馴染み
ハサミ: パキッとしたライン、重み、ツヤ感
毛量調整
レザー: 根元〜毛先まで自然に減らせる
ハサミ: セニング(すきバサミ)等で段階的に減らす
ダメージリスク
レザー: 刃の状態や技術によってやや高め
ハサミ: 刃の切れ味が良ければ低い
向いているスタイル
レザー: ショート、ニュアンスボブ、レイヤー
ハサミ: ロング、切りっぱなしボブ、重めスタイル
レザーカットのメリット・デメリット
デメリットばかりが注目されがちなレザーですが、プロが使うのには大きなメリットがあるからです。
メリット
柔らかい質感が出る: 毛先が細くなるため、硬い髪質でもふんわりした空気感が出せます。
くせ毛や多毛が収まりやすくなる: 束感を作りやすく、毛量を自然にコントロールできます。
伸びてきたときの馴染みが良い: パッツン感がなく、カットの持ちが良いと感じる人も多いです。
デメリット
傷みやすい髪質だと枝毛になりやすい: ハイダメージ毛や極度の乾燥毛には不向きです。
毛先の手触りがパサつくことがある: 断面が広いため、水分の保持力が落ちやすい傾向があります。
あなたはどっち?レザーカットの向き・不向き
自分の髪質や希望するスタイルに合わせて選ぶのが失敗しないコツです。
レザーカットが向いている人
髪が多くて膨らみやすい人
硬い髪質を柔らかく見せたい人
ショートヘアやウルフカット、動きのあるレイヤースタイルにしたい人
髪のクセを自然に活かしたい人
レザーカットを避けた方がいい人
ブリーチや縮毛矯正を繰り返している「ハイダメージ毛」の人
髪がもともと細く、毛量が少ない人
つるんとまとまるロングヘアや、切りっぱなしボブにしたい人
毛先までツヤ感を一番に優先したい人
まとめ:信頼できる美容師さんなら安心
「レザー=絶対に傷む」というわけではありません。
現代の美容室で使われるレザーは替刃式(使い捨て)が主流のため、施術ごとに新品の刃に交換してしっかり濡らしてカットしていれば、深刻なダメージにつながる心配はほぼありません。
髪の傷みが不安な方は、カットに入る前のカウンセリングで「傷みやすさ」や「仕上がりの好み」をしっかりと美容師さんに伝えて、最適なカット方法を提案してもらいましょう。
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執筆者プロフィール:毛髪専門家 森下 秀彦(どS美容師)
理美容プロダクトの薬剤研究員、サロンオーナーを経て、全国の理美容師さん達にヘアカラー・パーマ・縮毛矯正・ヘアダメージ論を講じる技術アドバイザー。科学的根拠(エビデンス)に基づいた薬剤・技術開発に長年従事し、群馬大学元教授との共同研究や特許成分の実用化など、毛髪科学の発展に寄与。