美容師さんにシャンプーを勧められたこと、ありませんか?
美容室でカットやカラーをしたあと、
「このシャンプーを使った方がいいですよ」
「家ではこのトリートメントがおすすめです」
と言われた経験がある方も多いと思います。
そんなとき、心のどこかで、
「これって商品を売りたいだけなんじゃないの?」
と思ったことはありませんか?
もちろん美容室も商売ですから、店販商品の販売という側面はあります。
でも、美容師がホームケア商品を勧める理由は、それだけではありません。
美容師側からすると本来、
サロンで綺麗になった髪を、明日から自分でも扱いやすくしてほしい。
そのために、家で使うシャンプーやトリートメントまで考えているのです。
美容師の仕事というと、
カットをする。
カラーをする。
パーマや縮毛矯正をする。
そんなイメージが強いかもしれません。
でも、本当に大切なのは、
美容室から帰ったあと、お客さん自身がその髪を扱えるかどうか。
美容室では美容師がブローしてくれます。
アイロンもしてくれます。
スタイリング剤も、その髪に合わせて使ってくれます。
だから、その日は綺麗で当然とも言えます。
問題は次の日の朝です。
自分でシャンプーをして、自分で乾かして、自分でスタイリングする。
そこで、
「美容室では良かったのに、家では全然まとまらない……」
となってしまったら、せっかく作ったヘアスタイルを十分に楽しめません。
だから美容師は、サロンでの施術だけではなく、
「家に帰ってからどうするか」
まで考えています。
美容室で販売しているシャンプーやトリートメント、
スタイリング剤などを、一般的に「店販商品」と呼びます。
「店販」と聞くと、
美容室が商品を販売して売上を作るもの
というイメージがあるかもしれません。
もちろん、それも間違いではありません。
ただ、美容師側にはもう一つの意味があります。
それが、
美容師が作ったヘアスタイルを、自宅でも再現しやすくすること。
です。
たとえばカットしたあと、美容師さんから、
「ここを乾かすときは、こうしてください」
「このくらいの量のスタイリング剤を使ってください」
と言われることがありますよね。
これも立派なホームケアの提案です。
シャンプーやトリートメントを勧めることも、本来はその延長線上にあります。
美容室で、
「普段どんなシャンプーを使っていますか?」
「ヘアオイルは使っていますか?」
「洗い流さないトリートメントはつけますか?」
などと聞かれたことはありませんか?
単なる世間話ではありません。
美容師にとって、普段どんなホームケアをしているかも髪を見るための情報の一つだからです。
同じように見える髪でも、
カラーやブリーチの履歴、
パーマや縮毛矯正の履歴、
ヘアアイロンの使用頻度、
普段使っているヘアケア剤やスタイリング剤。
こうしたものは人によって違います。
だから美容師は髪を見ながら、
「この人には何が必要なのか?」
を考えています。
そして必要だと思えば、シャンプーやトリートメント
ヘアケア剤やスタイリング剤などのホームケアを提案するわけです。
美容室では綺麗だったのに、家ではうまくいかない理由
美容室から帰るときは綺麗だった。
でも翌朝、自分でセットすると何か違う。
これは珍しい話ではありません。
もちろんカットや施術そのものが原因の場合もあります。
ただ、それだけではありません。
自宅での洗い方・乾かし方・使っているヘアケア剤などによっても、髪の扱いやすさは変わります。
美容室にいる時間は、月に1回だとしても数時間程度。
それに対して、自宅で髪を扱うのはほぼ毎日です。
そう考えると、
髪の状態を考えるうえで、毎日のホームケアを無視することはできません。
「美容師に勧められた=買わないとダメ」ではありません
ここは誤解してほしくないところです。
今回伝えたいのは、
「美容師がおすすめする商品は全部買いましょう」
という話ではありません。
美容師によって考え方は違いますし、美容室によって扱っている商品も違います。
そして当然、自分に必要のない商品まで無理に買う必要はありません。
だから、商品を勧められたときは遠慮せず、
「なぜ私の髪にはこれが必要なんですか?」
と聞いてみてください。
ちゃんと理由があるなら、美容師さんは、
「今の髪はこういう状態だから」
「普段こういうスタイリングをするから」
「今回こういう施術をしたから」
など、その人の髪に合わせて説明してくれるはずです。
商品名よりも、
「なぜ自分に必要なのか」
を知ることの方が大切だと思います。
ここは一般のお客さんからすると、意外と知られていない美容師側の感覚かもしれません。
美容師にとって嬉しいのは、シャンプーが1本売れることだけではありません。
次回来店したときに、
「前より自分でセットしやすくなりました」
「カラーしてからも扱いやすかったです」
「朝が楽になりました」
と言ってもらえること。
そして美容師自身も、
次回来店したときの髪の状態を見ます。
前回の施術からどう変化したのか。
自宅で扱いにくいところはなかったか。
提案したケアがその人に合っていたのか。
そこまで含めて次の施術を考えます。
つまり美容室の仕事は、
来店 → 施術 → 終了
ではなく、
来店 → 施術 → ホームケア → 次回来店
とつながっているんです。
DO-Sが考えるホームケアも、ここが原点
DO-Sのヘアケアも、
「このシャンプーを使えば傷んだ髪が元通りになります」
という考え方ではありません。
一度ダメージした髪そのものを、シャンプーやトリートメントで健康な髪に戻すことはできません。
だからこそ大切にしているのが、
余分なものはきちんと落とす。必要以上には負担をかけない。
という考え方です。
美容師が髪の状態を見極めて施術する。
そして家に帰ったら、その日に髪についた余分なものを洗い流し、今の髪の状態に必要なケアをする。
使う → 落とす → 必要なケアをする。
何かをどんどん足して髪を綺麗に見せ続けるのではなく、できるだけシンプルな状態で毎日の髪を扱いやすくする。
それがDO-Sの考える「すっぴん髪」にもつながっています。
よくある質問
Q. 美容室で勧められたシャンプーは、市販品より良いの?
一概には言えません。美容室専売品だから自動的にすべての人に合うわけではありません。大切なのは、その商品が「今の自分の髪にどうして必要なのか」です。
Q. 美容師さんに商品を勧められたら断ってもいい?
もちろんです。必要性を聞いたうえで、自分には必要ないと思えば購入する必要はありません。むしろ、理由を聞いて納得してから選ぶ方が良いと思います。
Q. ホームケアだけで傷んだ髪は治る?
一度構造的にダメージした髪が、ホームケアによって元の健康な髪に戻るわけではありません。ただし、毎日の扱い方を見直して余計な負担を減らし、傷んだ部分がなくなるまで扱いやすくしていくことは大切です。
まとめ|美容師が売りたいのは「シャンプー1本」だけなのか?
美容室でシャンプーを勧められると、
「商品を売りたいだけなんじゃない?」
と思うこともあるかもしれません。
もちろん美容室も商売なので、販売という側面はあります。
でも美容師が本当に考えているのは、その日の仕上がりだけではありません。
サロンで綺麗になった髪を、明日から自分でも扱いやすくしてほしい。
カットもカラーもホームケアも、本来はそこでつながっています。
だから次に美容室で商品を勧められたら、買う・買わないを決める前に、
「これを使うと、私の髪はどう扱いやすくなるんですか?」
と聞いてみてください。
その答えを聞けば、その美容師さんがなぜあなたにその商品を勧めたのかが、少し見えてくると思います。
「本当のヘアケア」をもっと知りたい方へ
DO-Sでは、髪を一時的にきれいに見せる「誤魔化すヘアケア」ではなく、髪本来の状態を知り、できるだけダメージを増やさないヘアケアを大切にしています。
今回の記事に関連する内容を、こちらでも詳しく解説しています。
▶シャンプーは成分表で選ぶべき?「この成分=良い・悪い」だけでは分からないこと
りょうやの前回の記事「髪に良いこと」を美容師の視点から分かりやすく解説しています。
▶美容室帰りの髪が家で再現できない理由。美容師が明かす「たった1回」のお手入れで髪が潰れる落とし穴
「DO-Sヘアケアコラム」より関連記事
▶ 髪の傷みの原因ってなんなの?どうしてヘアダメージするの?
「場末のパーマ屋の美容師日記」より髪のダメージ・シャンプー・トリートメント・カラー・パーマなどについて、美容師目線でさらに詳しく解説しています。
▶ 朝のスタイリングが劇的に変わる!美容師が教える「皮膜リセット」でパーマの持ちと再現性をよくする方法
「DO-S美容師向けコラム」より一般向けの記事より一歩踏み込んだ、薬剤や毛髪ダメージについての専門的な情報はこちら。
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✍️ 執筆者プロフィール
森下 遼也(もりした りょうや)
株式会社DO-S企画 代表取締役/元美容師
美容師としての現場経験を経て、現在は株式会社DO-S企画の代表取締役としてDO-Sブランドの運営に携わる。
DO-S開発者である父・森下秀彦のヘアケア理論を受け継ぎながら、「それ、本当に髪にいい?」をテーマに、シャンプー・トリートメント・ヘアダメージなど、一般的なヘアケアの常識を元美容師の視点から分かりやすく発信している。
Instagramでは、「りょうや|髪の常識を疑う元美容師」として、コラムよりも気軽に読めるヘアケア情報を発信しています。
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