美容室のメニューで、すっかり定番になった「髪質改善」。
SNSなどでも、
「髪質改善でツヤツヤになった」
「傷んだ髪が生き返った」
「続けるほど髪がきれいになる」
といった言葉と一緒に、ツヤのあるきれいな髪の写真を見かけることがあります。
実際に髪質改善をして、
「今までと全然違う!」
と感じたことがある方もいるでしょう。
では、ここで一つ考えてみてください。
髪質改善をしたことで、本当に傷んだ髪そのものが元の状態に戻ったのでしょうか?
DO-Sでは、
「髪をきれいに見せること」と「髪のダメージそのものを修復すること」は、分けて考える必要がある
と考えています。
今回は「髪質改善って実際は何をしているの?」という疑問について、一般の方にもわかりやすく解説します。
結論
髪質改善によって、髪のツヤや手触り、まとまりが良くなることはあります。
しかし、
「ツヤツヤになった=傷んだ髪が元通りに修復された」
とは限りません。
そもそも「髪質改善」という名称には統一された一つの施術方法があるわけではなく、美容室によって行っている内容もさまざまです。
トリートメントを中心としたものもあれば、酸や熱を利用するもの、クセや広がりを扱いやすくする施術などもあります。
そのため大切なのは、
「髪質改善だから髪に良い」と名前だけで判断しないこと。
今の髪に何をして、どのような効果を得ようとしている施術なのかを理解することです。
なぜ髪質改善をするとツヤツヤになるの?
髪にツヤが出る大きな理由の一つは、髪の表面が整うことです。
髪の表面に凹凸や乱れがあると、光がさまざまな方向へ反射するため、髪はパサついて見えやすくなります。
反対に、髪の表面が整い、一本一本の毛流れが揃えば、光がきれいに反射してツヤが出やすくなります。
髪質改善メニューの中には、
髪の表面を整える
手触りをなめらかにする
広がりを抑える
クセやうねりを扱いやすくする
コーティングなどでツヤを出す
といった働きによって、施術直後の髪をきれいに見せるものがあります。
だから、施術前と施術後の写真を比べると、
「ものすごく髪がきれいになった!」
と感じることもあります。
ここまでは何も問題ありません。
大切なのは、その変化を**「髪が修復された」と同じ意味で考えないこと**です。
よくある勘違い
① 髪質改善をすれば傷んだ髪が元に戻る?
髪は、肌のように傷が治ったり、新しい細胞に入れ替わったりする組織ではありません。
一度受けたダメージを、生えてきたばかりの髪とまったく同じ状態へ戻すことはできません。
トリートメントなどで手触りを整えたり、失われた成分を一時的に補ったりすることはできます。
ただし、それは髪そのものが自己修復したという意味ではありません。
ここを混同しないことが、とても大切です。
② ツヤが出たから髪が健康になった?
前回の記事でもお話ししましたが、ツヤだけでは髪のダメージ状態は判断できません。
ヘアオイルをつけてもツヤは出ますし、髪の表面をコーティングしてなめらかにすることでもツヤは出ます。
つまり、
「きれいに見える髪」と「ダメージの少ない髪」は必ずしも同じではない
ということです。
これは髪質改善を考えるうえでも、ぜひ知っておいてほしいポイントです。
③ 髪質改善は繰り返すほど髪が良くなる?
これも施術内容によって異なります。
髪質改善という名前だけでは、髪に何をしているのか判断できないからです。
施術によっては薬剤や熱を使用する場合もあります。
また、きれいな状態を維持するために強いコーティングを繰り返していれば、髪本来の状態が分かりにくくなることもあります。
大切なのは、
「髪質改善を何回したか」ではなく、
その施術を今の髪に行う必要があるのか?
ということです。
髪質改善で注意したい「きれいに見える髪」
ここは、DO-Sが特に大切にしているところです。
美容師にとって、髪のツヤや手触りを良くすることも大切です。
お客様が美容室から帰るときに、
「髪がきれいになった!」
と喜んでもらえることは、もちろん素晴らしいことです。
しかし、美容師が見なければいけないのはその瞬間の手触りだけではありません。
例えば、コーティングによって非常にサラサラになっていても、その内側にはカラーやパーマ、縮毛矯正などによるダメージが残っている場合があります。
その状態を正しく見極めず、
「こんなにサラサラだから髪は健康だろう」
と判断してカラーやパーマ、縮毛矯正をしてしまえば、薬剤の選択を誤る可能性があります。
前回の記事では、ツヤや手触りだけでは判断できない「本当の髪のダメージの見極め方」について詳しく解説しました。
見た目だけではわからない、本当のダメージの見極め方
こうした「髪本来の状態を見極めること」は、髪質改善を考えるうえでも非常に大切です。
DO-Sが考える「本当の髪質改善」
DO-Sでは、髪質改善という言葉そのものを否定しているわけではありません。
クセや広がりを扱いやすくしたり、ツヤやまとまりを出したりすることで、毎日のスタイリングが楽になるのであれば、それも美容の大切な価値です。
ただし、
髪をきれいに見せることと、傷んだ髪を元通りにすることは別。
ここはきちんと分けて考えるべきだと思っています。
そしてDO-Sがもっと大切にしているのは、
何かを重ね続けて髪をごまかすことより、
これ以上できるだけ髪を傷ませないこと。
カラーやパーマ、縮毛矯正では、髪の状態を正しく見極め、必要以上に強い薬剤を使わない。
そして毎日のホームケアでは、余分なものをきちんとリセットし、必要以上のコーティングを重ね続けない。
髪が本来どんな状態なのかを分かるようにしておく。
それがDO-Sの考える「すっぴん髪」の基本です。
よくある質問(FAQ)
Q. 髪質改善はしない方がいいのでしょうか?
いいえ。髪質改善という名称だけで良い・悪いを判断することはできません。美容室によって施術内容が異なるため、「どんな施術をするのか」「自分の髪にはなぜ必要なのか」を美容師に確認することが大切です。
Q. 髪質改善とトリートメントは同じですか?
必ずしも同じではありません。トリートメントを中心とした髪質改善もあれば、薬剤や熱を利用して髪のまとまりや形状にアプローチするものもあります。「髪質改善」という名前だけでは施術内容を判断できません。
Q. 髪質改善をしたら髪のダメージは治りますか?
手触りやツヤが改善することはありますが、一度受けた毛髪ダメージそのものが生えてきたときの状態へ戻るわけではありません。「きれいに見えること」と「髪が修復したこと」は分けて考える必要があります。
Q. 髪質改善を続けても大丈夫ですか?
髪の状態と施術内容によります。毎回同じ施術を繰り返すのではなく、その時の髪のダメージや施術履歴を美容師に確認してもらい、必要性を判断することをおすすめします。
まとめ
髪質改善によって、ツヤが出たり、手触りが良くなったり、まとまりやすくなったりすることはあります。
それによって毎日のヘアスタイルが扱いやすくなるのであれば、髪質改善にも十分なメリットがあります。
ただし、
「髪がきれいに見えるようになった」ことと、「傷んだ髪が元通りに修復された」ことは同じではありません。
大切なのは、髪質改善という名前や施術直後のツヤだけで判断するのではなく、
自分の髪が今どんな状態なのか。
その髪に本当に必要な施術なのか。
そこを美容師と一緒に考えることです。
DO-Sが目指しているのは、髪をごまかし続けるヘアケアではありません。
今ある髪の状態を正しく知り、できるだけ余計なダメージを増やさず、その人の髪を長く大切にしていくこと。
それがDO-Sの考える、本当の意味での「髪質改善」です。
本当のヘアケアをもっと知りたい方へ
DO-Sでは、髪を一時的にきれいに見せる「誤魔化すヘアケア」ではなく、髪本来の状態を知り、できるだけダメージを増やさないヘアケアを大切にしています。
今回の記事に関連する内容を、こちらでも詳しく解説しています。
▶「髪に良いこと」をしているのに髪が傷むのはなぜ?
DO-Sが考える「すっぴん髪」とヘアケアの基本
▶ 美容師は何を見て「髪が傷んでいる」と判断しているの?
見た目だけではわからない、本当のダメージの見極め方
▶ 場末のパーマ屋の美容師日記
髪のダメージ・シャンプー・トリートメント・カラー・パーマなどについて、美容師目線でさらに詳しく解説しています。
▶ DO-S美容師向けコラム
一般向けの記事より一歩踏み込んだ、薬剤や毛髪ダメージについての専門的な情報はこちら。
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✍️ 執筆者プロフィール
森下 遼也(もりした りょうや)
株式会社DO-S企画 代表取締役/元美容師
美容師としての現場経験を経て、現在は株式会社DO-S企画の代表取締役としてDO-Sブランドの運営に携わる。
DO-S開発者である父・森下秀彦のヘアケア理論を受け継ぎながら、「それ、本当に髪にいい?」をテーマに、シャンプー・トリートメント・ヘアダメージなど、一般的なヘアケアの常識を元美容師の視点から分かりやすく発信している。
Instagramでは、「りょうや|髪の常識を疑う元美容師」として、コラムよりも気軽に読めるヘアケア情報を発信しています。
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