「アミノ酸系だから髪に優しい」
「洗浄力が弱いシャンプーの方が傷んだ髪にいい」
「カラーやパーマで傷んだ髪には、マイルドなシャンプーを使った方がいい」
シャンプーについて調べていると、このような話をよく目にします。
実際、
「アミノ酸系洗浄成分配合」
という言葉を、シャンプー選びの基準にしている方も多いのではないでしょうか。
では、
アミノ酸系シャンプーを使えば、本当に傷んだ髪に優しいのでしょうか?
今回は、
「アミノ酸系=髪に良い」
というイメージだけでは分からない、シャンプー選びについて考えてみたいと思います。
結論
アミノ酸系シャンプーだからといって、
すべての人の髪にとって良いシャンプーとは限りません。
もちろん、
アミノ酸系の洗浄成分そのものが悪いという話でもありません。
大切なのは、
「アミノ酸系だから良い」
「洗浄力が強いから悪い」
と、成分の種類だけでシャンプーを判断しないことです。
そしてもう一つ。
髪が傷んでいるなら、
「どんなシャンプーを使うか?」の前に、「なぜ髪が傷んだのか?」
を考えることも大切です。
そもそも「アミノ酸系シャンプー」って何?
シャンプーには、
髪や頭皮についた皮脂や汚れを洗い流すために「界面活性剤」と呼ばれる洗浄成分が使われています。
その中でも、アミノ酸由来の洗浄成分を使用したものが、一般的に「アミノ酸系シャンプー」と呼ばれています。
特徴としてよく言われるのが、
洗浄力が比較的マイルド
頭皮や髪への負担を抑えやすい
洗い上がりがしっとりしやすい
といった点です。
ここだけを見ると、
「だったら傷んだ髪にはアミノ酸系が一番良さそう」
と思いますよね。
でも、
「マイルドに洗えること」と「傷んだ髪が良くなること」は別の話です。
「傷んだ髪=優しいシャンプー」でいいの?
ここで一度、
なぜ髪が傷んだのか?
を考えてみましょう。
たとえば、
ヘアカラーやブリーチをして髪が傷んだ。
その場合、大きな原因の一つは薬剤による負担です。
縮毛矯正やパーマなら、
使用する薬剤や施術方法、熱なども関係します。
毎日のヘアアイロンで傷んだなら、
高温の熱や使い方が原因かもしれません。
濡れた髪を強くこすっているなら、
摩擦によるダメージも考えられます。
では、
アミノ酸系のマイルドなシャンプーに変えれば、それらの原因はなくなるでしょうか?
もちろん、そうではありません。
カラーやパーマによるダメージなら、
施術方法や薬剤の使い方を考える。
アイロンによるダメージなら、
温度や使い方を見直す。
摩擦が原因なら、
毎日の髪の扱い方を見直す。
つまり、
髪のダメージ対策で一番大切なのは、まず「何が髪を傷ませているのか」を知ること。
「髪が傷んでいるから、とにかく優しいシャンプー」
だけでは、
ダメージの原因そのものへの対策にはならないのです。
シャンプーで防げるダメージは何?
では、
シャンプーはヘアダメージと関係ないのでしょうか?
そんなことはありません。
毎日使うものだからこそ、
シャンプーそのものが髪への負担にならないこと
も大切です。
洗浄力が必要以上に強ければ、
洗うたびに髪や頭皮への負担になることがあります。
一方で、
洗浄力がマイルドすぎて、
その日に使ったヘアオイルやスタイリング剤などが十分に落とせなければ、
髪に余分なものが残り続けることもあります。
だから、
強ければいいわけでもない。
弱ければいいわけでもない。
大切なのは、
余分なものはきちんと落とす。
でも、必要以上に髪や頭皮へ負担をかけない。
このバランスです。
「優しく洗う」と「きちんと落とす」は別の話
ここは、今回の記事で特に伝えたいポイントです。
「髪に優しい」と聞くと、
できるだけ洗浄力が弱い方が良いように感じます。
でも、
毎日の髪には、
皮脂や汗だけでなく、
ヘアオイル、
洗い流さないトリートメント、
ワックスやスプレーなどのスタイリング剤、
さまざまなものが付着しています。
それらがきちんと落ちていなければ、
シャンプーをしていても少しずつ髪に残っていくことがあります。
だから大切なのは、
「どれだけ優しく洗えるか?」だけではありません。
「その日に落とすべきものを、きちんと落とせているか?」
ここまで考えて、
初めて毎日のシャンプーを考えることができます。
スキンケアで考えると分かりやすい
DO-Sでは、ヘアケアをスキンケアに例えて考えることがあります。
たとえば、毎日メイクをする人を想像してみてください。
肌への刺激を減らしたいからといって、
「メイクをできるだけ落とさない方が肌に優しい」
とは考えませんよね。
メイクや日焼け止めなど、その日に肌につけたものはきちんと落とす。
そして洗った後に、必要なスキンケアをする。
ヘアケアも、基本的な考え方はよく似ています。
髪についた余分なものをシャンプーで落とし、
そのあと必要な分だけトリートメントをする。
つまり、
落とす → 必要なケアをする
というシンプルな考え方です。
前回の記事でご紹介した「毎日のリセット」という考え方も、ここにつながっています。
👉 関連記事
「シャンプーは毎日した方がいい?美容師が考える『毎日リセット』という考え方」
洗い残しが「髪の扱いにくさ」につながることも
洗浄力がマイルドなこと自体は、
決して悪いことではありません。
問題なのは、
自分の髪や普段のヘアケアに対して、十分に洗えているかどうか。
たとえば、
毎日ヘアオイルをつける。
洗い流さないトリートメントを使う。
スタイリング剤もしっかり使う。
それなのに、
それらを十分に洗い流せていなければ、
髪には少しずつ余分なものが残っていくことがあります。
すると、
「なんとなく髪が重い」
「乾きにくくなった」
「根元がペタッとする」
「トリートメントをしているのに扱いにくい」
と感じることも。
そこで、
「髪が傷んでいるのかな?」
と思って、
さらにトリートメントやオイルを増やす。
すると、
また髪にいろいろなものが重なっていく。
こうして、
ケアしているつもりなのに、髪本来の状態が分かりにくくなる
こともあるのです。
シャンプーは髪を修復するものではない
一度ダメージを受けた髪は、
元の状態へ修復することはできません。
だから、
「傷んだ髪をシャンプーで治そう」
という考え方そのものを、
一度見直してみてもいいかもしれません。
シャンプーに求めたいのは、
傷んだ髪を元通りにすることではなく、
毎日の洗髪で余計な負担を増やさず、必要なものをきちんと洗い流すこと。
そして、
カラーやアイロンなど、
髪を傷ませている本当の原因があるなら、
そちらも一緒に見直す。
この二つを分けて考えることが大切です。
👉 関連記事
「髪は本当に修復するの?美容師が知っている『髪の修復』」
「何系か」だけでシャンプーを選ばない
シャンプーの成分を見ること自体は、
もちろん悪いことではありません。
でも、
「アミノ酸系だから安心」
「オーガニックだから優しい」
「○○系だからダメ」
と、一つの言葉だけで良し悪しを決めてしまうと、
本当に大切な部分を見落としてしまうことがあります。
シャンプーを選ぶときに考えたいのは、
その人の髪や頭皮の状態。
カラーやパーマの履歴。
普段使っているヘアオイルやスタイリング剤。
洗う頻度。
そして、
きちんと洗えているか。
人によって条件は違います。
だからこそ、
「○○系シャンプーなら誰にでも良い」というほど、シャンプー選びは単純ではない
のです。
DO-Sが考える「すっぴん髪」
DO-Sが長年大切にしているのは、
何かをたくさん髪に足すことより、
毎日一度、余分なものをリセットすること。
その日に使ったものをきちんと落とす。
そして、
今の髪の状態を分かりやすくする。
そのうえで、
必要なケアだけをする。
DO-Sでは、
そんなヘアケアを**「すっぴん髪」**という考え方で伝えてきました。参考記事でも、強すぎず弱すぎない洗浄と、余分な被膜を残さないことを重視しています。
「髪に何を足せばもっとキレイになる?」
だけではなく、
「今日つけたものを、ちゃんと落とせている?」
という視点も持ってみる。
これも、
シャンプー選びでは大切なことだと思います。
よくある質問
Q. アミノ酸系シャンプーは髪に悪いの?
いいえ。
アミノ酸系だから悪いということではありません。
マイルドな洗浄力が自分の髪や頭皮に合う方もいます。
大切なのは、
「アミノ酸系だから良い・悪い」と成分の種類だけで判断しないこと。
普段どんなヘアケア剤やスタイリング剤を使っているのかも含めて、自分に合っているかを考えましょう。
Q. 洗浄力が強いシャンプーは髪に悪い?
強ければ悪い、弱ければ良いとは一概に言えません。
余分なものはきちんと落としながら、必要以上に髪や頭皮へ負担をかけないこと。
このバランスが大切です。
Q. じゃあ、シャンプーは何を基準に選べばいい?
「アミノ酸系」「オーガニック」「○○系」といった名前だけではなく、
自分の髪や頭皮の状態、
普段使っているヘアオイルやスタイリング剤、
カラーやパーマの履歴なども含めて考えてみましょう。
そして、
毎日きちんと洗えて、髪を扱いやすい状態に保てているか
も一つの判断材料になります。
まとめ
アミノ酸系シャンプーは、
決して悪いものではありません。
でも、
「アミノ酸系=傷んだ髪に良い」
と単純に考える必要もありません。
髪が傷んでいるなら、
まず考えてほしいのは、
「なぜ、この髪は傷んだのか?」
ということ。
カラーなのか。
ブリーチなのか。
パーマや縮毛矯正なのか。
アイロンの熱なのか。
毎日の摩擦なのか。
その原因を知り、
できるだけダメージを増やさないようにする。
そしてシャンプーでは、
余分なものはきちんと落とす。
必要以上に髪や頭皮へ負担をかけない。
スキンケアで、
その日のメイクを落としてから必要なケアをするように、
髪も、
使う → 落とす → 必要なケアをする。
「何を髪に足すか」だけではなく、
「何をきちんと落とすか」
という視点も持ってみてください。
それが、
自分の髪に合ったシャンプーを考える第一歩になると思います。
「本当のヘアケア」をもっと知りたい方へ
DO-Sでは、髪を一時的にきれいに見せる「誤魔化すヘアケア」ではなく、髪本来の状態を知り、できるだけダメージを増やさないヘアケアを大切にしています。
今回の記事に関連する内容を、こちらでも詳しく解説しています。
▶シャンプーは毎日した方がいい?美容師が考える「毎日リセット」の意味
りょうやの前回の記事「髪に良いこと」を美容師の視点から分かりやすく解説しています。
▶ 【News】シャンプーしても髪が重い原因は?軽やかな素髪を目指す方法
「DO-Sヘアケアコラム」より関連記事
▶ 傷んだ髪にアミノ酸系はNG?ヘアダメージに本当に必要なシャンプーの選び方
「場末のパーマ屋の美容師日記」より髪のダメージ・シャンプー・トリートメント・カラー・パーマなどについて、美容師目線でさらに詳しく解説しています。
▶ 優しいシャンプーと艶々トリートメントがヘアダメージを悪化させる?
「DO-S美容師向けコラム」より一般向けの記事より一歩踏み込んだ、薬剤や毛髪ダメージについての専門的な情報はこちら。
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✍️ 執筆者プロフィール
森下 遼也(もりした りょうや)
株式会社DO-S企画 代表取締役/元美容師
美容師としての現場経験を経て、現在は株式会社DO-S企画の代表取締役としてDO-Sブランドの運営に携わる。
DO-S開発者である父・森下秀彦のヘアケア理論を受け継ぎながら、「それ、本当に髪にいい?」をテーマに、シャンプー・トリートメント・ヘアダメージなど、一般的なヘアケアの常識を元美容師の視点から分かりやすく発信している。
Instagramでは、「りょうや|髪の常識を疑う元美容師」として、コラムよりも気軽に読めるヘアケア情報を発信しています。
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